
小学校で平成23年度から、新学習指導要領による新しい教科書を使った授業が始まりました。今回の改訂では前回改訂で批判の多かった「学力低下」への懸念から「約5%の授業時数増」、「学習内容の改善」という方針が打ち出されました。その方針に基づく新しい教科書は算数で33%増・理科で37%増と内容・ボリューム共に増え、全教科平均でも25%の増ページとなっています。「生きる力を育む」という理念を踏襲した今回改訂による変更内容をあらためてご紹介します。

ずっと総授業時数は減少傾向でしたが、今回の改訂で久しぶりに増加。小学校6年間で278時数(約5%)増えました。内容的にも、ずっと削減傾向だったのが、今回増加しました。





新しい教科書は、新学習指導要領の強化ポイントにそって改訂されています。全教科で基礎の反復のために練習問題や、情報を活用する力を養う問題、思考力や表現力を身につけられる問題が増える、といった特徴が見られます。
学ぶ内容が増えた
前回改訂(平成14年度施行)で批判の多かった「学力低下」への不安を払拭するために、前回削除されたものが復活したり、上の学年へ移行した単元が元に戻ったりしています。そのため、学習する内容は増えました。

| 算 数 |
1年 簡単な2位数の加法・減法 |
| 2年 2位数と1位数との乗法 |
| 4年 100分の1の位の小数の加減 |
| 5年 素数 |
| 6年 小数・分数の混合計算 |
| 理 科 |
3年 身近な自然の観察 |
| 4年 人の体のつくりと運動 |
| 5年 水中の小さな生物 |
| 6年 月と太陽 |
| 国 語 |
3・4年 我が国における自分たちの県の地理的位置、47都道府県の名称と位置 |
| 5年 世界の主な国の名称と位置 |

- 小学算数の例
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円の面積を求める問題は、小学校5年生から小学校6年生へうつりました。これまでの学習指導要領では、円の面積を求める際に、「円周率は3として計算しても良い」となっていました。これは、小数の計算が小数第一位までしか学習していなかったためです。しかし、今度の改訂では、小数の計算の範囲が小数第二位、第三位までと広がったため、円の面積を求める際にも、「円周率は、3.14」として計算するようになります。

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これまでの指導要領
5×5×3 (円周率は、3としても良い)

新指導要領
5×5×3.14 (円周率は、3.14)
- 小学理科の例
新学習指導要領で新たに月と太陽を観察し、月の位置や形と太陽の位置を調べ、月の形の見え方を考える単元が加わりました。


月は、太陽の光を反射している部分が光って見えます。三日月、半月、満月のように、月の形が日によって変わるのは、月と太陽との位置関係が変わるからです。
教科書のページ数が大幅に増えた
2002年度実施の学習指導要綱で、削減された学習内容が、算数・理科を中心に数多く復活したことにより、教科書のボリュームもアップしました。前回改訂の教科書に比較して、社会17%、国語25%、算数33%、理科37%、全教科平均で25%と、大幅に増えています。


言語力をつける学習が各教科で強化される
自分の考えを説明したり表現するためには、相手に伝えるための適切な言語能力が必要となります。そこで国語だけではなく、各教科等で下記のような学習活動を充実させます。
(一例)
英語(外国語)が必須になる(週1コマ)
小学校5・6年生で「外国語(英語)活動」が必修となります。活動を通して英語の音声や表現に慣れ親しみ、言語や文化に対する理解を深め、コミュニケーションする能力の素地を養うのが目的です。
伝統や文化に関する教育が多く取り入れられる
日本古来の伝統・文化を学びます。
(一例)
道徳教育の充実が図られる
きちんとあいさつする、善いこと悪いことを判断する、社会のルールを覚えるなど、発達段階に合わせて学びます。
体験活動が推進される
集団での宿泊活動や自然体験活動を通して社会性や豊かな人間性を育みます。

